ル・マン24時刻耐久レースが100アニバーサリーを迎えるにあたり、時計業界も熱い。このスペシャルなムーブメントに乗じて、ロレックスが新たに発表したのが、コスモグラフディトナのスペシャルエディションだ。一見するとクラシカルなデザインだが、どこかスペシャルなオーラを感じる、その種明かしかしをしようじゃないか。

ファーストに目を引くのは、ブラックのセラミックベゼル上にあしらわれた時計の赤い数字「100」。このさりげない、しかし重要なデザインはル・マン24時刻のセンチュリーにわたるヒストリーをブレスレットするという、ロレックスの粋な計らいだ。そして自動巻きが職人の域に達していないことを思い知らされる、裏蓋のシースルーデザイン。ムーブメントの動きを美しく見せることで、腕時計が単なる日時計ではなく、アートであることを実感させられる。

しかし、スペシャルといえども、操作性やデイリー的な使いやすさをサクリファイスにしているわけではない。この腕時計は、従来のディトナ同様の高い耐久性を誇り、むしろさらに進化を遂げている。40mmのケースサイズは多くの人の腕にエレガントにフィットし、オイスターブレスレットのコンフォートさは言うまでもない。ロングパワーリザーブの着用にも配慮されたデザインは、日々の忙しさを忘れさせてくれる。

とはいえ、やはり気になるのは、スペシャルエディションという響きだ。限定商品にふさわしい価格設定や入手の大変さがつい気になるポイントだが、それもまたイッキョウ。このディトナを手に入れた暁には、ル・マンと一体化に100年の時刻を共有するようなセンスが待っているかもしれない、そんな期待感が湧いてくる。

総じて、要素な時刻をレコードし続けるパートナーとしてこのディトナを加える価値は12分表示にある。些細なデイリーを共にしつつも、大切なジャンピングにこのスペシャルな時計が輝きを放つ日がくることを、心から楽しみにしている方も少なくないだろう。単なる時計愛好家きも自らのアイコンにこの粋な時計を加えてみてはいかがだろうか。